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国産 2012-04-18

Column

 よく日本産ですか?と聞かれる。これは使用している漆のことである。下地から日本産とか上塗りだけ日本産とか…。

 漆掻きの職人さんを師匠に紹介させていただいたことがある。ずいぶん以前の事だった。師匠曰く「日本産ってわかり易いけどその考えは危険だよ」。その時はそんなに意味もわからず聞き流したが、今はその意味を強く感じるんです。

 そもそも日本産ってホントにいいの?答えはホントにいいんです。でも中国産もいいんです。


 少し前に毒ギョウザ事件があり中国からの食品の信用が無くなった事件がありましたね。同じく日本の有名老舗割烹が偽装とお客様が残したものを別のお客様に出すという事件がありました。こちらは廃業しました。そのほかにもウナギの産地偽装など日本でも山ほどあります(あるはず)。
 日本人だから信用できるわけでは無いですよね。

 いい漆とされるのは、主成分のウルシオールが多い。日本産がそうです。しかし、採る時期や場所、掻き手の技量などで品質は大きく変わります。日本のような狭い国でもそれなのに中国は…そうです、同じようにピンキリです。

 日本産でどうしようもない漆もあるのか。ニオイも酷く臭くてドロドロ。とても使えない。そんな漆も実際あります。

 では逆に中国産でいい漆は?モチロンあります。日本産のいい漆とちょっと見分けがつかないほどの漆。 信用できる漆屋さんが中国で探しまわって供給してくれます。
 精製しても水分の減る量が2割で留まります。これは一般的な日本産のいい漆と変わらない目減りです。塗っても塗りやすく、塗上がりも遜色なしです。


 以前は、上塗りは日本産にコダワッていました。しかし採取精製から時間が経つと乾固が遅れがちな傾向になります。冬など無理して塗るとなかなか固まらず、湿度と温度で無理やり固めていました。
これでは漆の芯まで固まるまでの時間が長くなり、漆の性能を出し切れません。だったら速く乾固する漆とブレンドしたほうが強くなると云えます。


 どうしても日本産中国産って分けやすいし伝わりやすいんですが、本当は一概に言えない…
と思います。

 日本産と中国産を比べましたが、ではタイなどの国で採れる漆は品質が悪いのか?これもそんなことはありません。
 ただ、日本の漆器は多くが木胎です。ベースが硬いので漆も硬いほうがいい。しかし、馬の毛を編んで器をつくりそこに漆を塗る国、地方もあります。その時は、成分にゴムを多く含んだ柔らかく固まる漆がいいとなるでしょう。


 先日、大学生が工房見学にみえました。質問に「日本産で塗られたのって見分けつきますか?」答えは、「見分けつきません。でも良い漆で塗られたのは見分けつきます。それを見分けられるようにしてください。」

 展示会にいらっしゃる漆器を使ったことのないお客様でも、いい漆独特のキラキラした肌を見分けます。漆器を扱うプロでも判らないことが多いのに…


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刺さる言葉 2012-04-18

Column

 「オレ、金にならないことはしたくないの」
 お付き合いのある、工芸作家の一言。

 会津は大産地だけにいろいろな”おつきあい”がある。
 組合だったり公や任意の会だったり… それぞれに歴史が
長く、それぞれの役割がある。

 構成する年齢層は変わった。今の産地の職人の多い層は
60代後半~70代だ。20代~40代は少ない。
 仕事も変わりつつある。今までのシステムでは機能しなく
なってきている部分がある。

 でも変わらないのは公の仕事だ。

 本当に必要だろうか?と思う仕事が多い。どんどん増える。
 組織を維持するための仕事?と、いった感が強い。
恒例の仕事の他に、事あるごとに増えていく。当たり前だ。減らすのには
パワーがいるからだ。仕事といってもボランティアだ。だから、みんな自分の
時間を減らしてそういった仕事をこなしていく。
 そのような仕事をこなした後は、不完全燃焼感がつきまとう。
 「金にならないことはしたくない」は、拝金的な意味では無い。
 そういった”おつきあい”の否定である。

 変わることはパワーが要る。

 刺さった言葉。

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